外国人を採用するなら知っておきたい「宗教」と「文化」の基礎知識と対応策
- Miku Kondo

- 22 時間前
- 読了時間: 8分

目次
はじめに
外国人採用が広がる中で、
「宗教上、何か配慮しなければならないことはある?」
「食事やお祈りはどう対応すればいい?」
「会社としてどこまで対応すればいいの?」
と疑問を持つ採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
実際、日本で働く外国人の中には、宗教上の理由から食べられない食品があったり、礼拝を行ったりする方もいます。一方で、宗教との向き合い方や生活スタイルは一人ひとり異なり、「○○人だから必ずこう」というものではありません。
この記事では、日本で多く活躍している外国人の宗教や文化の傾向を紹介しながら、採用担当者が知っておきたい食生活や礼拝への配慮、コミュニケーションのポイントについて、採用担当者とバディさんの会話形式でわかりやすく解説します。
1. 外国人採用では宗教を知っておく必要がありますか?

「外国人採用を進めるにあたって、やっぱり宗教や文化の違いも理解しておいた方がいいのでしょうか?」

「結論から言うと、絶対に知っておいた方がいいよ! でも、『宗教を知る=特別扱いして優遇する』ということではないから安心してね。
宗教や文化的背景によって、食事のルールや礼拝の習慣が異なる場合があるんだ。事前に基本的な知識を持っておくだけで、採用後のすれ違いやトラブルを防げて、スムーズに職場に馴染んでもらえるようになるよ!」

「なるほど……。特定の外国人スタッフだけを配慮すると、一緒に働く日本人スタッフから『ずるい』とか『不公平だ』って不満が出ないか少し心配です。」

「その不安、すごくよく分かるよ!現場を預かる身としては気になるよね。 だからこそ、会社側が一方的に特別扱いするんじゃなくて、『業務に支障が出ない範囲で、お互いに歩み寄れるライン』を本人と相談して決めるのが大切なんだ。
例えば、お祈りのために少し抜けるなら、その分ほかの休憩時間を短縮して勤務時間の合計を同じにするとか、周りのメンバーにも『こういう理由でこの時間は席を外すけど、その分ここでカバーしてくれるよ』と事前にちゃんと説明して共有しておく。 そうやってルールを明確にしてオープンにすることで、周りのスタッフも『不公平』とは感じにくくなるし、お互いに気持ちよく働ける職場環境が作れるんだよ!」
2. 日本で多く働く外国人(特定技能など)には、どんな宗教の方がいますか?

「特定技能などで日本に来る外国人材は、どのような宗教を信仰している方が多いのでしょうか?」

「宗教は個人の自由な信条だから、国籍だけで『この人はこれ!』と決めつけるのはNG。 だけど、日本で働く外国人材の出身国(東南アジアなど)を見ると、国ごとに以下のような傾向があるよ。まずは全体像を把握しておこう!」
【国籍別】主な宗教の傾向と配慮の例
出身国(例) | 主な宗教の傾向 | 現場で配慮・相談されることがある例 |
インドネシア | イスラム教(ムスリム)が多数 | ハラールフード、 1日5回の礼拝、 ラマダン(断食) |
パキスタン | ||
バングラデシュ | ||
ベトナム | 仏教の影響が強い / 無宗教と回答する人も多い | 基本的に個人差が大きい。 イベント時の食事など |
ミャンマー | 仏教徒が多数 | 牛肉を避ける人が一部いる。 祝祭日の調整など |
フィリピン | キリスト教(カトリック)が多数 | 日曜日の礼拝(ミサ)、 クリスマス休暇など |

「国ごとの大まかな傾向は分かりました!ただ、実際に面接や入社前の面談で、宗教や配慮してほしいことについて本人にどうやって聞けばいいのでしょうか?センシティブな内容なので、切り出し方に少し迷ってしまいます。」

「そうだよね、デリケートな問題だからこそ聞き方には気を遣うよね! ポイントは、『あなたの宗教は何ですか?』と信仰そのものを尋ねるのではなく、『日本で働く上で、食事や習慣について会社が配慮や準備をしておいた方がいいことはありますか?』という目的ベースで聞くことだよ。
あくまで『あなたが安心して働くための環境づくりとして確認したいんだよ』というスタンスで質問すれば、本人も安心して『実は豚肉が食べられなくて……』とか『お祈りのスペースがあると嬉しいです』って本音を話しやすくなるよ!」
3. 食生活(ハラルなど)では何に気を付ければよいですか?

「食事の面で、会社として気を付けるべき具体的なポイントを教えてほしいです!」

「一番相談が多いのは、やっぱりイスラム教(ムスリム)の『ハラル(ハラール)』についてだね。 イスラム教では、食べて良いもの・禁止されているものが明確に決まっているんだ。特に以下の3つはおさえておこう!」
< 代表的な食べて良いもの(ハラル)・禁止されているもの(ハラム)について >
① 豚肉を食べない
豚肉そのものはもちろん、豚由来のエキス、ゼラチン、ラード(ポテトチップスやカップ麺、お菓子などにもよく含まれているよ)が入っているものも避ける人が多いんだ。豚が含まれた餌を食べた家畜類、豚に触れた食品なども全面的に禁忌とされているよ。
② アルコールを口にしない
お酒として飲むのはもちろん、料理に使われる料理酒やみりん、アルコール成分が含まれる調味料も気にする場合があるよ。
③ ハラル認証に配慮した食品を選ぶ
「ハラル」とはイスラム法で許されたもののこと。お肉(鶏や牛)を食べる場合も、イスラム法に基づいた方法で処理されたお肉(ハラール肉)を求める人が多いよ。『神に食べることが許された食べ物=ハラルフード』

「ただし、これらも『どこまで厳格に守るか』は人それぞれ。 日本の調味料ならそこまで気にしないという人もいれば、徹底して自炊する人もいる。だから会社としては、押し付けずに以下の配慮を意識してみてね。」
< 企業側が心がけたい食生活への配慮 >
社内イベント・懇親会
お弁当や食事を出すときは、事前に「食べられないもの」を必ずヒアリングする。
コミュニケーション
「少しくらいなら大丈夫でしょ?」と日本の感覚を無理に勧めない。
相互理解
食べられないルールがあることを理由に、本人を責めたりからかったりしない。
4. お祈り(礼拝)の対応はどうすればよいですか?

「イスラム教の方は1日に何度も礼拝をすると聞きました。現場の仕事に支障は出ないのでしょうか?」

「イスラム教の礼拝(サラート)は、基本的には1日に5回とされているよ。 これだけ聞くと『えっ、仕事中に何度も抜けちゃうの?』と不安になるかもしれないけど、実は勤務時間や仕事内容に合わせて、休憩時間にうまく工夫して行う人が多いんだ。1回の礼拝にかかる時間も10〜15分程度だよ。」

「会社として、専用の『礼拝室』をわざわざ作らなければいけない義務はあるのでしょうか?」

「法律的な義務や、専用の立派な部屋を用意する義務は一切ないよ。 オフィスの会議室や空きスペース、更衣室などを礼拝の時間だけ貸してあげる、という対応で十分喜ばれるケースがほとんどなんだ。大切なのは、面接時や入社前に『うちはこういう環境だけど、どう対応するのがベストかな?』とお互いに話し合うことだよ。」
< 採用担当者が事前に確認・共有しておきたい5つのポイント >
礼拝の希望確認
日本での勤務中も礼拝を行いたいかどうか(個人差があります)。
時間の調整
既存の休憩時間(昼休憩など)の中で対応できそうか。
安全面・業務への影響
製造ラインや建設現場など、安全管理や工程上、どうしても手が離せない時間帯を事前に共有しておく。
場所の確保
社内で利用できる、人目が気にならない静かなスペース(数畳分でOK)があるか。
現場への周知
本人の同意を得た上で、直属の上司や同僚に「〇時頃に少しお祈りの時間をとるよ」と事前に共有し、職場の理解を得ておく。

「会社が一方的に禁止するのも、逆に本人が無理な要求を通すのもよくないから、『お互いが歩み寄れる現実的なライン』を相談して決めようね。」

「バディさん、ありがとうございました!宗教の知識があまりないのでどうしても不安でしたが、少しイメージが湧いてきました。」

「それはよかった! 一番大切な心構えはね、『〇〇国の人だからこうだ』というステレオタイプ(偏見)を持たないことなんだ。
日本人でも、実家が仏教だけど普段は意識していない人がいれば、熱心にお墓参りをする人もいるよね。それと全く同じ。 まずは目の前の『本人』の考えや希望に耳を傾けて、お互いに話し合いながら一歩ずつ働きやすい環境を作っていくこと。それが、外国人材に長く笑顔で活躍してもらうための、一番の近道だよ!」
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