特定技能1号と2号の違い|在留期間・家族帯同・支援・技能水準を比較
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外国人材の採用を検討する企業にとって、 「特定技能1号」と「特定技能2号」の違いを理解することは、
採用計画や人材育成を考えるうえで欠かせません。 「特定技能1号は5年間しか働けないの?」
「2号になれば家族と日本で暮らせる?」
「1号から2号へ移行するには何が必要?」
このような疑問を持つ企業の採用担当者も多いのではないでしょうか。
特定技能1号と2号は、単に数字が違うだけではありません。 技能水準、在留期間、家族帯同の可否、企業の支援義務、対象分野などに大きな違いがあります。
特に、外国人社員に長く働いてもらいたい企業は、採用時から特定技能2号への移行を見据えた 育成計画を立てることが重要です。
本記事では、特定技能1号と2号の違いを比較表で分かりやすく整理し、 2号への移行条件や企業が準備すべきことまで詳しく解説します。
※本記事は2026年10月22日時点の公表情報を基に作成しています。
1.特定技能1号と2号の違いを比較表で解説
まずは、特定技能1号と2号の主な違いを確認しましょう。

最も大きな違いは、 在留期間の上限と家族帯同、そして求められる技能水準です。
特定技能1号は、一定の専門性や技能を持つ外国人が日本の人手不足分野で働くための在留資格です。
一方、特定技能2号はさらに高度な技能を持ち、 分野によっては現場での指導や管理を担う人材を想定しています。
そのため、企業が長期的な外国人雇用を考える場合、特定技能2号は重要な選択肢となります。
2.特定技能1号とは?特徴と企業に求められる対応
特定技能1号は、人手不足が深刻な産業分野において、 一定の専門性や技能を持つ外国人を受け入れるための在留資格です。
原則として、分野ごとに定められた技能試験と日本語試験に合格する必要があります。
日本語能力については、日本語能力試験(JLPT)のN4以上や国際交流基金日本語基礎テストなどが
基準となる分野がありますが求められる水準は分野によって異なります。

また、技能実習2号を良好に修了している場合、 要件に応じて試験の全部または一部が免除されることがあります。
ただし、技能実習で経験した職種と特定技能で従事する業務の関連性などによって取扱いが 異なるため個別の確認が必要です。
在留期間は原則として通算5年
特定技能1号として日本に在留できる期間は、原則として通算5年間です。
ここで注意したいのは、同じ会社で5年間働けるという意味ではないことです。
例えば、 ある企業で特定技能1号として3年間働いた外国人が別の企業に転職した場合は 原則として残りの在留可能期間は2年間となります。
転職や産業分野の変更によって、通算期間が最初から数え直されるわけではありません。
また、原則として、失業中の期間や再入国許可による一時帰国期間なども通算期間に含まれます。
ただし、産前産後休業・育児休業・病気やけがによる休業など 一定の要件を満たす期間は通算期間から除外される取扱いがあります。
さらに、特定技能2号評価試験等に不合格となった場合でも 試験成績など一定の条件を満たせば例外的に通算6年までの在留が認められる場合があります。
これらは自動的に適用される制度ではなく、個別の要件確認と必要な申請が重要です。
特定技能1号には義務的支援が必要
特定技能1号を受け入れる企業には、外国人が日本で安心して働き 生活できるよう支援する義務があります。
主な義務的支援は次の10項目です。

これらの支援は、外国人が日本で働き続けるための重要な仕組みです。
企業が自社で実施することもできますが、登録支援機関に全部または一部を委託することも可能です。
特に初めて外国人を採用する企業では、言語対応や生活支援、制度上の手続などを外部の専門機関と 連携することで受入れ体制を整えやすくなります。
3.特定技能2号とは?長期雇用を実現するための在留資格
特定技能2号は、特定技能1号よりも高い技能水準が求められる在留資格です。
単に長期間働いているだけではなく、分野ごとに定められた熟練した技能を有していることが 必要です。
例えば、業種によっては次のような能力や経験が求められます。
・複数の作業者への指導
・作業工程や品質の管理
・現場や店舗の運営に関する実務経験
・高度な専門技能や業務遂行能力
与えられた仕事を正確にこなすだけでなく、現場の中心となって活躍する人材が想定されています。
ただし、求められる経験や役割は分野ごとに異なり、すべての分野で同じ管理経験が必要なわけでは ありません。
在留期間の通算上限がない
特定技能2号の大きな特徴が、通算在留期間に上限がないことです。
特定技能1号には原則5年という上限がありますが2号では必要な条件を満たし、 在留期間の更新許可を受け続けることで長期的に日本で働くことができます。
これは企業にとっても大きなメリットです。
長年育成してきた外国人社員が、重要な現場や部署の中心メンバーとして働き続けることが 可能になります。
新たな人材を採用して一から教育するだけでなく、経験を積んだ社員の能力を継続して活用できるため、技術の継承や組織の安定化にもつながります。
ただし、特定技能2号になれば無条件で永続的に在留できるという意味ではありません。 定期的な在留期間の更新や、在留資格に応じた活動の継続が必要です。
配偶者と子どもの家族帯同が可能
特定技能1号では、家族帯同は原則として認められていません。
一方、特定技能2号では在留資格「家族滞在」の要件を満たすことで、 配偶者と子どもを日本に呼び寄せ、一緒に生活することが可能です。
家族と生活できることは、外国人本人にとって日本で長く働く理由の一つになります。
企業にとっても、本人が将来の生活設計を立てやすくなることで、 長期的な勤務や定着につながる可能性があります。
なお、家族帯同が可能なのは、原則として配偶者と子どもであり、両親や兄弟姉妹まで自動的に認められるわけではありません。
特定技能2号では義務的支援が不要になる
特定技能2号は、1号特定技能外国人に義務付けられている10項目の支援計画の対象ではありません。
そのため、2号人材については、1号と同じ法定支援計画を作成・実施する義務はありません。
ただし、支援義務がなくなることと、企業によるサポートが不要になることは別問題です。
外国人社員が長く働くためには、職場でのコミュニケーション、日本語学習、キャリア形成、 生活面の相談対応などを継続することが望まれます。
また、労働関係法令や社会保険制度など、企業として守るべきルールは引き続き適用されます。
4.特定技能2号の対象分野は11分野
特定技能1号と2号では、受入れが認められる対象分野の数が異なります。
2026年10月22日時点で、特定技能1号の対象は19分野、特定技能2号の対象は11分野です。
特定技能2号の対象となる11分野

これらの分野では、それぞれ定められた技能水準や実務経験などの条件を満たすことで、
特定技能2号の取得を目指すことができます。
※特定技能2号の対象外となる8分野
次の8分野は、現時点で特定技能2号の対象外です。
介護
自動車運送業
鉄道
林業
木材産業
リネンサプライ
物流倉庫
資源循環
これらの分野で外国人材を長期雇用したい場合は、 別の在留資格の取得可能性なども含めて検討する必要があります。
例えば介護分野では、介護福祉士の資格を取得し、要件を満たせば 在留資格「介護」への変更を目指すことができます。
対象分野や受入れ条件は制度改正によって変更される可能性があるため、 採用前に最新の情報を確認することが重要です。
5.特定技能1号から2号へ移行するための条件
5年間働けば自動的に2号になれるわけではありません。
特に企業が注意したいのが、特定技能2号への移行条件です。

特定技能1号で5年間働いたとしても、自動的に2号へ移行することはできません。
2号を取得するには、分野ごとに定められた試験への合格や必要な実務経験などの所定の条件を 満たす必要があります。
なお、十分な技能や経験があり、所定の要件を満たしていれば
必ずしも特定技能1号を経由する必要はありません。
建設分野では班長としての実務経験が重要
例えば建設分野では、特定技能2号の取得に向けて、所定の試験への合格に加えて、 班長としての実務経験が求められます。 ※参考資料「建設分野の2号特定技能外国人に求める「建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、 工程を管理する者(班長)としての実務経験」について」
具体的には、複数の建設技能者を指導しながら現場作業に従事し、工程を管理した経験などです。
ここで重要なのは、単に建設現場で働いた年数だけでは判断されないということです。
どのような業務を担当し、どの程度の期間、指導や工程管理に携わったのかがポイントになります。
必要な就業日数や証明方法は業務区分・職種等によって異なるため、
建設キャリアアップシステム(CCUS)の就業履歴や、実務経験を証明できる記録の管理が重要です。

製造業や外食業でも管理経験が求められる場合がある
工業製品製造業では、技能者への指導や製造工程の管理などが重要な要素となります。
外食業では、飲食店で従業員を指導・監督しながら店舗管理を補助した実務経験などが求められます。
外食業の特定技能2号には、技能測定試験に加えて日本語能力試験N3以上の要件もあります。

このように、2号の取得条件は一律ではありません。
企業は自社が該当する分野の試験制度や実務経験の条件を、早い段階で確認しておく必要があります。
6.特定技能2号への移行に向けて企業が準備すべき5つのこと
特定技能2号への移行を成功させるには、外国人本人の努力だけでなく
受入れ企業側の計画的なサポートも重要になります。
① 採用時に長期就労の希望を確認する
まずは、外国人本人が将来どのような働き方を希望しているのかを確認しましょう。
日本で長く働きたいのか、専門技能を高めたいのか、将来的に家族と日本で生活したいのか。
本人の目標を理解することで、企業も中長期的な育成計画を立てやすくなります。
② 2号の試験と必要な実務経験を確認する
次に、該当する産業分野の2号取得条件を確認します。
試験内容だけでなく、必要な実務経験、試験の実施時期、申請に必要な証明書類まで把握しておくことが重要です。
特に、指導経験や管理経験が必要な分野では、採用から数年経って初めて準備を始めると 必要な経験を積む時間が足りなくなる可能性があります。
③ 段階的に指導・管理業務を任せる
入社直後から高度な管理業務を任せる必要はありません。
まずは作業の習得と職場への適応を優先し、その後の適性や習熟度に応じて後輩指導やチーム運営を 任せていきます。
例えば、次のような段階的な育成が考えられます。

④ 実務経験を証明できる記録を残す
2号への移行では、業務経験を客観的に証明する資料が重要になる場合があります。
そのため、日頃から次のような情報を整理しておくことをおすすめします。
担当した業務内容と期間
現場や部署での役割
指導した作業者や従業員
工程管理・品質管理などの実績
研修や技能評価の記録
必要となる証明書類の種類は分野ごとに異なります。
⑤ 試験と在留資格変更のスケジュールを管理する
特定技能1号には原則5年間という在留期間の上限があります。
そのため、2号試験の受験時期や結果発表、必要書類の準備などを計画的に進める必要があります。
在留期間の満了直前に準備を始めるのではなく、余裕を持って手続きを進めることが重要です。
なお、2026年10月19日には、2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書の取扱いが 見直されています。
2号の在留諸申請では、所定の業務内容や指導体制などに関する確認が必要になるため、 申請前に最新の運用要領と申請様式を確認しましょう。
7.外国人材の長期雇用は採用時から設計することが重要
特定技能2号への移行を考えるうえで、企業に意識してほしいことがあります。
それは、「5年目になってから準備を始めるのでは遅い」ということです。
例えば、採用後の数年間を一般作業だけ行い、5年目になって初めて班長や管理業務の経験が 必要だと分かった場合、条件を満たすための期間が不足する可能性があります。
一方、採用時から2号への移行を視野に入れていれば、日々の業務や研修のなかに必要な経験を 組み込むことができます。
企業が取り組みたいのは、次の3つの仕組みづくりです。







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